脳磁図研究では、306チャンネル脳磁計を用いて20、30、40、80Hzのクリック音に対するsteady-state gamma band responseを測定した。正常対照者33名(平均年齢:40.0±14.4歳、男性12名、女性21名)、双極性障害者19名(40.4±11.9歳、男性5名、女性14名)、統合失調症8名(34.2±13.3歳、男性6名、女性2名)の聴覚誘発反応を記録した。Gamma band responseの低下を統合失調症のみで認める傾向にある。 また、脳磁図を用いた統合失調症の声に対する聴覚誘発反応について、Journal of Neuroscience、Psychiatry Researchなどの国際誌に研究成果を報告した。 脳構造研究では、3T MRI装置を用いて、T1・T2・DTI(Diffusion Tensor Imaging)撮像を行った。正常対照者24名(37.5±14.8歳、男性8名、女性16名)、双極性障害者8名(48.0±7.4歳、男性2名、女性6名)、統合失調症15名(38.1±12.7歳、男性8名、女性7名)のMRIを撮像した。得られた画像デジタルデータについて、MATLAB上で動作するstatistical parametric mapping(SPM5)を使用し、voxel based morphometry(VBM)法にて解析を行っている。この解析により、構造MRIでは3群のどの脳部位体積に違いがあるかを明らかにしていく。
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