研究概要 |
脳磁図研究では、306チャンネル脳磁計を用いて20、30、40、80Hzのクリック音に対するsteady-state gamma band response (ASSR)を測定した。正常対照者22名、統合失調症17名の聴覚誘発反応を記録した。40Hz,80Hzのlow and high ASSRにて異常が認められた。これは我々の知る限り世界で2番目の報告であり、現在論文を投稿中である。更に、双極性障害のASSRも解析し、双極性障害では30Hz ASSRの障害があることを発見した。 双極性障害と統合失調症の科学的鑑別の指標として、脳磁図を用いた声に対する聴覚誘発gamma band responseが有用であるという報告をBipolar Disorders誌に投稿し、掲載に至った。 脳構造研究では、3T MRI装置を用いて、T1・T2・DTI (Diffusion Tensor Imaging)撮像を行った。正常対照者72名、双極性障害者11名、統合失調症29名のMRIを撮像した。得られた画像デジタルデータについて、MATLAB上で動作するstatistical parametric mapping (SPM8)を使用し、voxel based morphometry (VBM)法にて解析を行っている。現在、頭蓋内体積を検出中である(進行中)。この解析により、構造MRIでは3群のどの脳部位体積に違いがあるかが明らかになる。
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