研究課題
前年度に引き続き、熊本大学医学部附属病院神経精神科若年性認知症外来を受診した連続例の中で、前頭側頭葉変性症(FTLD)の国際診断基準(Nearly et al. 1998)を満たした症例ならびに進行性核上性麻痺(PSP)のNINDS-SPSP (Litvan, 1996)を満たした症例を登録した。これらの対象について、全般的な認知症機能検査としてmini-mental state examination (MMSE)、前頭葉機能ないし遂行機能障害の測定にはFrontal assessment battery (FAB)や語流暢性検査、常同行動評価尺度であるStereotypy Rating Scale (SRS)に加え、包括的な精神症状評価尺度であるNeuropsychiatric InventOry (NPI)など、各種検査結果をすでにデータベースに蓄積した。また、全対象について、頭部MRIならびに脳血流SPECTを施行した。そして、これら2群について、認知機能障害ならびに行動障害を比較検討した。その結果、FTDならびにPSPの認知機能障害と行動障害の特徴は極めて類似していた。しかし、常同行動に関しては、FTDに有意に高頻度に認められることが明らかになった。したがって、常同行動の神経基盤としては、FTDで障害されPSPで保たれている部位が関与している可能性が考えられた。
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