研究課題/領域番号 |
20591415
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
土井 拓 宮崎大学, 医学部, 助教 (70274793)
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研究分担者 |
植田 勇人 宮崎大学, 医学部, 准教授 (70244192)
中島 暉 宮崎大学, 医学部, 准教授 (10041857)
船橋 英樹 宮崎大学, 医学部, 助教 (10404435)
蛯原 功介 宮崎大学, 医学部, 医員 (20510720)
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キーワード | てんかん / グルタミン酸 / 抗酸化能 / レドックス / 酸化ストレス / cstine / glutamate transorterxCT |
研究概要 |
cystine/glutamate transporter(xCT)は細胞内外のグルタミン酸濃度勾配を利用して、グルタチオン(GSH)生成に必要なシスチンを細胞内に取り込むことによって細胞内外レドックス状態に関与し、さらにはそのレドックス状態がグルタミン酸トランスポーター(EAATs)の機能を修飾することから、多岐にわたって、てんかんの病態に対して重要な働きをしている。levetiracetam (LEV)の抗てんかん作用機序に抗酸化能、xCTの関与があるのではないかとの仮定に基づき実験を行った。血液脳関門を通過するnitroxide radical (PCAM)をラット腹腔内に投与しマイクロダイアリーシス法を用いて海馬細胞外液中に存在するPCAMの減衰で抗酸化能を評価した。その結果灌流液にLEVを同時に灌流した群はそうでない群と比較して有意に減衰半減期が短くなっていた。また、細胞外グルタミン酸濃度はLEVを同時に灌流した群で有意に低下していた。一方、LEV(54mg/kg)を腹腔内に14日間連日投与した群は生食投与群と比較して有意に海馬のxCTが増加していた。以上からLEVには抗酸化能を増強する作用があり、xCTは細胞外から細胞内にグルタミン酸の濃度勾配を利用しGSH生成に必要なシスチンを取り込むことから、細胞外グルタミン酸濃度低下はGSH生成増加、抗酸化能増強につながると考えられた。LEVの慢性投与はxCTを増加させ、このこともGSH生成増加、抗酸化能増強に寄与すると考察した。
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