研究概要 |
当該年度においては,コンピュータによりデータベースを作成したものに,データ収集を加えることが主である。データ集積に際し収集に関しては,サンプルの性,発症年齢,初診時年齢,教育年数等の基本情報を整理している。データベース構築とともに,SCID-I(Structured Clinical Interview for DSM-IV Axis I Disorders. Clinician Version)を用い精神科的な主診断を行っている。これと平行し,本研究の中心となるパーソナリティ障害に関しては、II軸評価(パーソナリティ障害)のための標準化された方法であるStructured Clinical Interview for SDM-IV Axis II Personality Disorders(SCID-II)を用い,診断を確定している。これらのデータを用い,経験豊かな初診医の診断と,入院後に生活態度や家族などから収集した詳細な情報を加味して,外来の診断と構造化面接した後の診断との差を比較し,構造化面接法の意義を検討しつつ,発症・経過・転帰決定因子を分析している。 当初は,気分障害と不安障害に関して症例を収集することが目的であったが,これだけでは症例数が不足するため,特に気分障害や不安障害に限定することなく,摂食障害や身体化障害など重症な精神病性障害以外の症例を含め検討することとした。
|