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2009 年度 実績報告書

レビー小体型認知症の臨床・病理診断基準の妥当性の検討

研究課題

研究課題/領域番号 20591419
研究機関順天堂大学

研究代表者

井関 栄三  順天堂大学, 医学部, 准教授 (30203061)

研究分担者 山本 涼子  順天堂大学, 医学部, 助教 (50459070)
キーワード認知症 / 診断学 / 病理学
研究概要

レビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies ; DLB)の臨床・病理診断基準の妥当性の検討のために、平成21年度は以下の検討を行った。DLBの臨床診断基準は、DLB発症の後に示される特徴的症状および検査所見を基に作成されているが、早期の治療を開始するためには、DLBを軽度認知障害(MCI)の時点で診断することが必要である。研究者は物忘れドックで見出されたMCI患者のうち、REM睡眠行動障害を伴う患者について詳細な認知機能検査、頭部MRI検査、脳PET検査、MIBG心筋シンチを行い、脳PET検査で後頭葉にびまん性の糖代謝低下を示す患者は、MIBG心筋シンチで取り込みの低下を示し、認知機能検査で視覚認知機能障害を示すことから、DLBのMCI状態にあるとみなすことができることを示した。これらの結果は学会発表され、欧文論文に受理されている。次ぎに、DLBの病理診断基準の妥当性については、レビー病理変化に神経原線維変化よりなるアルツハイマー病理変化が加わった場合、両者の程度がDLBの臨床像にどの程度関与しているかがlikelihoodとして示されているが、研究者はDLB剖検脳45例について、レビー病理変化に加え、神経原線維変化とアミロイド沈着よりなるアルツハイマー病理変化の程度を、研究者らの評価方法とともに、最も最近のBrain-Net Europeの評価方法を用いて定量的に検討した。この結果、改訂版の病理診断基準は研究者らの基準による病理学的亜型と相関し、レビー病理変化に加えて、神経原線維変化とアミロイド沈着の両者の程度を考慮してlikelihoodを評価することが、DLBの臨床像をより良く反映することが示された。これらの結果は学会発表され、欧文論文に投稿されている。

  • 研究成果

    (25件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (14件) (うち査読あり 8件) 学会発表 (11件)

  • [雑誌論文] Abnormal localization of LRRK2 to the endosomal-lysosomal compartment in Lewy body disease2009

    • 著者名/発表者名
      東晋二
    • 雑誌名

      J Neuropathol Exp Neurology 68

      ページ: 994-1005

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Risk factors for delusion of theft in patients with Alzheimer's disease showing mild dementia in Japan2009

    • 著者名/発表者名
      村山憲男
    • 雑誌名

      Aging & Mental Health 13

      ページ: 563-568

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Clinical effects of high oral dose of donepezil for patients with Alzheimer's disease in Japan2009

    • 著者名/発表者名
      野澤宗央
    • 雑誌名

      Psychogeriatrics 9

      ページ: 50-55

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Neuropathological investigation of regions responsible for semantic aphasia in frontotemporal lobar degeneration2009

    • 著者名/発表者名
      Yamamoto R
    • 雑誌名

      Dement Geriatr Cogn Disord 27

      ページ: 214-223

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 抑うつ傾向を有する高齢者の脳機能および心理的特徴;バウムテストを含めた検討2009

    • 著者名/発表者名
      村山憲男
    • 雑誌名

      精神医学 51

      ページ: 1187-1195

    • 査読あり
  • [雑誌論文] アルツハイマー病に対する高用量 donepezil の1年間の治療効果2009

    • 著者名/発表者名
      野澤宗央
    • 雑誌名

      精神医学 51

      ページ: 1147-1154

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Donepezil 長期内服が原因と考えられた遅発性 Tourette 症候群を認めたアルツハイマー病の1例2009

    • 著者名/発表者名
      野澤宗央
    • 雑誌名

      精神科治療学 24

      ページ: 867-871

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 孔脳症にアルツハイマー型認知症が合併し、幻視・幻聴を認めた1症例2009

    • 著者名/発表者名
      野澤宗央
    • 雑誌名

      精神医学 51

      ページ: 419-424

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 初発の際に精神症状を呈する可能性のある神経疾患―レビー小体病としてのレビー小体型認知症2009

    • 著者名/発表者名
      藤城弘樹
    • 雑誌名

      精神科治療学 24

      ページ: 1357-1364

  • [雑誌論文] 高齢者の幻視2009

    • 著者名/発表者名
      井関栄三
    • 雑誌名

      日本医事新報 4455

      ページ: 82-83

  • [雑誌論文] 精神科薬物療法における基本的な疑問に答える―抗認知症薬の投与量の目安と中止のタイミングは?2009

    • 著者名/発表者名
      熊谷亮
    • 雑誌名

      精神科 14

      ページ: 492-496

  • [雑誌論文] レビー小体型認知症の経過・予後2009

    • 著者名/発表者名
      内海雄思
    • 雑誌名

      老年精神医学雑誌 20

      ページ: 618-622

  • [雑誌論文] パーキンソン病の臨床症状―非運動症状2009

    • 著者名/発表者名
      東晋二
    • 雑誌名

      日本臨床 67

      ページ: 185-188

  • [雑誌論文]2009

    • 著者名/発表者名
      井関栄三
    • 雑誌名

      老年医学の基礎と臨床II―レビー小体型認知症(ワールドプランニング)

      ページ: 274-281

  • [学会発表] レム睡眠行動障害患者のおける18F-FDG PETの後頭葉糖代謝低下はDLBの前駆状態を意味するか?2009

    • 著者名/発表者名
      藤城弘樹
    • 学会等名
      第3回レビー小体型認知症研究会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      20091100
  • [学会発表] レム睡眠行動障害患者のおける^<18>F-FDG PETの後頭葉糖代謝低下はDLBの前駆状態を意味する?2009

    • 著者名/発表者名
      藤城弘樹
    • 学会等名
      第28回日本認知症学会
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      20091100
  • [学会発表] DLBの視覚認知障害の病態機序2009

    • 著者名/発表者名
      井関栄三
    • 学会等名
      第14回日本神経精神医学会
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      20091100
  • [学会発表] レビー小体型認知症と前頭側頭型認知症の軽度認知障害をどのように診断するか?2009

    • 著者名/発表者名
      山本涼子
    • 学会等名
      第24回日本老年精神医学会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      20090600
  • [学会発表] 脳機能画像検査と心理検査に基づく、抑うつ傾向を有する高齢者の特徴―バウムテストを含めた検討2009

    • 著者名/発表者名
      村山憲男
    • 学会等名
      第24回日本老年精神医学会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      20090600
  • [学会発表] 嗜銀性グレイン型認知症剖検脳におけるリン酸化TDP-43の蓄積について2009

    • 著者名/発表者名
      藤城弘樹
    • 学会等名
      第24回日本老年精神医学会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      20090600
  • [学会発表] 家族介護者向けアルツハイマー病重症度評価票作成の試み;Functional Assessment Staging(FAST)による重症度分類2009

    • 著者名/発表者名
      村山憲男
    • 学会等名
      第51回日本老年社会科学会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      20090600
  • [学会発表] レビー小体型認知症におけるLRRK2のエンドゾームコンパートメントへの局在2009

    • 著者名/発表者名
      東晋二
    • 学会等名
      第50回日本神経病理学会
    • 発表場所
      高松
    • 年月日
      20090500
  • [学会発表] レビー小体型認知症におけるオートファジー・リソゾーム系の発現2009

    • 著者名/発表者名
      笠貫浩史
    • 学会等名
      第50回日本神経病理学会
    • 発表場所
      高松
    • 年月日
      20090500
  • [学会発表] 那須-Hakola 病における灰白質病変の検討2009

    • 著者名/発表者名
      青木直哉
    • 学会等名
      第50回日本神経病理学会
    • 発表場所
      高松
    • 年月日
      20090500
  • [学会発表] レビー小体型認知症の病理診断基準の妥当性の検討2009

    • 著者名/発表者名
      山本涼子、藤城弘樹、井関栄三、他
    • 学会等名
      第50回日本神経病理学会
    • 発表場所
      高松
    • 年月日
      20090000

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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