本年度2009年度は、DSM-IV-TRに基づいての診断について、2008年より開始した大うつ病患者のリクルートを継続している。現時点では、当初研究の目的として、DSM-IVに基づいた大うつ病と診断された患者(疾患群)30名と、性別および年齢で合致する健常対照群30名、ハイリスク群30名を対象には達していないが予定通り2010年度中に必要な被験者を集める予定である。特に、健常対照群について最終年度となる2010年には重点的にリクルートを行う予定である。今後倫理委員会の承認の範囲以内でより有効なリクルートの手段についてもさらなる検討を行い最終的に研究目的を達成する予定である。一方、本研究では子どものうつ病者についてCBCL(子ども行動チェックリスト)、Birleson自己記入式抑うつ評価尺度(DSRS-C)など標準的な尺度を用いて評価しており画像面だけではなく画像面だけではなく子どものうつ病の症候学的、QOLなど日常機能への影響についても理解に深く貢献することができると考えられる。当初予想した治療期間よりも治療寛解に至る期間が長い傾向にあり子どものうつ病が治療によって容易に寛解に至らず、治療が困難であることもこの調査の中で明らかになっている研究者間の定期的な打ち合わせを行い、研究の進捗と課題点について継続した討論を行ってきている。
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