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2009 年度 実績報告書

自閉症モデル動物における行動異常および分子病態の解析

研究課題

研究課題/領域番号 20591426
研究機関(財)東京都医学研究機構

研究代表者

安田 新  (財)東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 研究員 (20392368)

研究分担者 竹宮 孝子  東京女子医科大学, 医学部, 講師 (70297547)
キーワード脳神経疾患 / 神経科学 / 行動科学
研究概要

自閉症患者において、行動異常とともにスパイン(シナプス後部の樹状突起棘)形態やスパイン数の異常がみられる。結節性硬化症は自閉症を合併することが知られており、tuberous sclerosis complex(TSC)-1, 2の変異が発症要因である。TSCは低分子量G蛋白質rhebに対するGAP活性を持ち、TSCに変異が起こることにより、Rheb-mTORシグナルが活性化する。TSC変異動物Ekerラットにスパイン形態異常が起こることを、初代培養ニューロンにGFPを発現し樹状突起を可視化した実験系にて見出しているので、シナプスマーカーのひとつであるsynaptophysinにてニューロンを染色し、スパイン形成の差異を比較した。その結果、Ekerラットでは正常ラットと比べて単位長さあたりのsynaptophysin陽性スパインが有意に減少していた。mTORは蛋白質の局所翻訳に関与していることが知られているので、正常およびEkerラットのシナプトソーム分画を2次元電気泳動により解析した。さらに、スポットを切り出して蛋白質を抽出し、質量分析計を用いて正常ラットと比較してEkerラットで発現が増加しているペプチドのアミノ酸配列についてデータベース検索したところ、複数のミトコンドリア代謝酵素を見出した。正常およびEkerラット初代培養ニューロンのミトコンドリアをDsRed2-Mitoを強制発現することにより可視化し、樹状突起におけるミトコンドリアの分布量を比較したところ、正常ラットに比べてEkerラットではミトコンドリアが有意に増加していた。以上の結果からEkerラットにおいてミトコンドリア分布異常がスパイン形成異常に関与することが考えられた。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2010 2009 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Endothelial mPGES-1 exacerbates neuronal loss induced by kainate2010

    • 著者名/発表者名
      Takemiya T, Matsumura K, Sugiura H, Maehara M, Yasuda S, Uematsu S, Akira S, Yamagata K
    • 雑誌名

      J Neurosci Res 88

      ページ: 381-90

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Replication of a genome-wide association study of panic disorder in a Japanese population2010

    • 著者名/発表者名
      Otowa T, Tanii H, Sugaya N, Yoshida E, Inoue K, Yasuda S, Shimada T, Kawamura Y, Tochigi M, Minato T, Umekage T, Miyagawa T, Nishida N, Tokunaga K, Okazaki Y, Kaiya H, Sasaki T
    • 雑誌名

      J Hum Genet 55

      ページ: 91-6

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Mek32009

    • 著者名/発表者名
      Yasuda S, Sugiura H, Yamagata K
    • 雑誌名

      UCSD-Nature Molecule Pages

    • 査読あり
  • [学会発表] Protocadherin Arcadlin Regulates Seizure-induced Synaptic Loss by Activating p38 MAP Kinase Signaling2010

    • 著者名/発表者名
      Yasuda S, Sugiura H, Tanaka H, Takemiya T, Yamagata K
    • 学会等名
      3'rd BIT Peptide and Protein Conference(Pepcon)-2010
    • 発表場所
      中華人民共和国北京市
    • 年月日
      2010-03-21
  • [学会発表] 発達障害モデル動物における神経細胞樹状突起の形態変化2009

    • 著者名/発表者名
      瀧上周、安田新、杉浦弘子、吉村好之、竹宮孝子、山内卓、樋野興夫、山形要人
    • 学会等名
      第32回 日本神経科学大会
    • 発表場所
      名古屋市
    • 年月日
      2009-09-18
  • [学会発表] Tsc2変異による神経細胞樹状突起形態異常の電子顕微鏡解析2009

    • 著者名/発表者名
      瀧上周、安田新、杉浦弘子、吉村好之、竹宮孝子、山内卓、樋野興夫、山形要人
    • 学会等名
      第52回日本神経化学会
    • 発表場所
      渋川市
    • 年月日
      2009-06-22
  • [図書] Activity-dependent spine remodeling and brain disorders. In Dendritic Spines : Biochemistry, Modeling and Properties2009

    • 著者名/発表者名
      Takigami S, Yasuda S, Sugiura H, Tanaka H, Yamagata K
    • 総ページ数
      197
    • 出版者
      Nova Science Publishers
  • [備考]

    • URL

      http://jglobal.jst.go.jp/public/20090422/200901085228928457

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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