研究課題
小動物用の高分解能PETは入間用のPETに比較し、検出器部分の結晶を小さくし、データ収集、画像再構成法などを工夫して、小動物の臓器内分布をある程度評個できるよう開発されてきたが、現在の最高水準のPET装置(Focus120:J Nuc1 Med 48, 2007)でもマウスの脳構造を同向定できるほどの分解能を備えてはいない。分子標的診断法を中枢神経変性疾患モデルマウスに応用するためには、詳細な脳構造の解剖学的情報を基盤にした解析システムの構築が不可決である。PET画像自体は本来、機能的情報であるため、正確な解剖情報を助けとして解析を進める必要があり、そのためにもっとも適した装置はMRIである。本研究においては、変性疾患モデルマウスのmicroPETによる分子標的イメージングを高磁場MRIを利用して解析するシステムを構築し、実際の糖代謝や異常凝集蛋白を標的とした分子イメージングの解析を試みる。また、同時に正常加齢マウスでの各週齢ごとのPETとMRI撮像をおこない、糖代謝、アミロイドイメージング、脳形態の正常データベースを構築する。本年度は、以下の3点について成果を上げることができた。(1)PETとMRIの双方で共通して利用できるマウス用頭部固定装置の開発を試みた。その結果、マウスの頭部固定に優れ、PETとMRIの位置情報を共有し、両画像の正確な重ね合わせが可能であった。(2)小動物用高磁場MR装置による正常マウスの週齢ごとの撮像をおこない、甑画像上での解剖学的部位同定と正常マウスでの脳解剖デジタルアトラスの作成を試みた。(3)DRPLA変性疾患モデルマウスを用いてFDG micro-PET前による糖代謝測定をおこない、解剖学的アトラスを用いて解析をおこなった。その結果、週齢数の経過とともに、小脳、脳幹、基底核における糖代謝の低下が確認された。
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