研究課題/領域番号 |
20591434
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
百瀬 敏光 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (20219992)
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研究分担者 |
小島 良紀 国立がんセンター, がん研究所, 研究員 (20167357)
関野 正樹 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (20401036)
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キーワード | microPET / MRI / 小動物 / 脳解剖 / FDG / 糖代謝 / 脳機能 / fusion |
研究概要 |
小動物用の高分解能PETは疾患の病態解明や創薬の重要なツールとして期待されている。分子標的診断法を中枢神経変性疾患モデルマウスに応用するためには、詳細な脳構造の解剖学的情報を基盤にした解析システムの構築が不可決である。PETによる機能画像から、脳内活性部位を正確に評価するためには、高分解能で軟部組織のコントラストに優れた形態画像を併せて取得しなければならない。また、PETによって得られた複数個体の機能画像について統計的な評価を行うためには、複数個体の画像の重ね合わせが必要だが、この処理においても精密な3次元形態画像が求められる。さらに、評価の正確さと再現性を確保するためには、統計処理のベースとなる形態画像である標準脳を使用することが望ましい。我々は、PETとMRIとで共通に利用できるような頭部固定器具を独自に製作した。この器具は、PETやMRIの画像取得の妨げにならないようなアクリル樹脂で製作されており、また、PETにおいて吸収率の方向依存性を無くすために、筒型形状に設計されている。本研究において200μmの高分解能を持つ磁場強度4.7Tの動物用MRIと分解能1.2mmのmicroPETを用い、上記頭部固定装置を使用し、正常マウス(C57BL12週齢)の脳3次元画像を取得し、以下の項目を検討した。(1)頭部固定器具によるPETとMRIによる位置合わせ精度の評価、(2)標準脳のデジタルアトラスの作成、(3)デジタルアトラスによるMRI上での解剖学的位置同定。その結果、頭部固定具による位置合わせ精度は、数百μm以内であること、マウスの脳標準アトラスについては、染色された標本断面に、各領野の詳細な区分を色分けした図を対応させたデジタルアトラスの作成を行い、このアトラスをMRI上へ投影することで、内部構造に乏しいマウスの脳についても各領野との対応を明らかにできることを確認した。
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