研究課題/領域番号 |
20591439
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
渡邊 春夫 岐阜大学, 医学部附属病院, 医員 (30456529)
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研究分担者 |
兼松 雅之 岐阜大学, 医学部附属病院, 准教授 (40252134)
五島 聡 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (90402205)
近藤 浩史 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (20324311)
柘植 裕介 岐阜大学, 医学部附属病院, 医員 (80444272)
藤田 廣志 岐阜大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10124033)
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キーワード | 肝線維化 / elastography / cine-tagging |
研究概要 |
53例にcine-tagging画像(16mmおよび20mmの格子を用いてそれぞれ矢状断、冠状断の4種類)を撮像し、肝切除の既往のない35例(正常肝11例、慢性肝障害24例;慢性肝炎5例、肝硬変症19例)につき、BEを用い解析を行った。各々の画像から得たBE値につき、血清アルブミン値、ALT値、総ビリルビン値、血小板数、プロトロンビン時間、APRIとの相関を検討し、2群間で比較した。慢性肝障害の存在に対する診断能をROC解析した。 16mmの格子を用いた矢状断像から得られたBE値はAPRI(r=0.427,P= .02)と正相関し、慢性肝障害群(0.996±0.492)に比して健常肝群(1.791±0.779)で有意に高かった(P= .0081)。Cutoff値を1.15とした場合の感度、特異度、正診率はそれぞれ71%、89%、77%であった。ROC解析では、慢性肝障害診断におけるAUC値は、16mmの格子を用いた矢状断像において0.77と最も高い傾向にあった。 初期検討においては、cine-tagging画像を用いたMREは慢性肝障害の診断に有用で可能性が示唆された。現在、BE値の自動計算化に向けて画像解析ソフトウェアを開発中である。さらに、症例を追加した合計110例で検討中である。しかし、病理学的な線維化診断との相関を見い出すため、これらの症例から生検や手術症例を抽出し、病理学的に線維化の評価が成された43例で、新犬山分類におけるF分類とBE値の相関についての検討に着手しているところである。この結果を基に、さらに臨床応用できるようcine-tagging画像と画像解析ソフトウェアを組み合わせたMRE開発を進める予定である。
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