研究課題
1. IPシステムを用いる体表面に存在する^<90>Yリンパ節の画像化の臨床適用可能性頚部に存在するリンパ節を模擬するため、顔面から鎖骨領域の人体表面ファントムを作成し、頭頚部表面ファントム内側から頚部リンパ節に相当する箇所に^<90>Y点状線源を1mm間隔で順に配置し、遮光袋に入れたIPを頚部領域に10分間圧着させた後、画像解析装置にてIPを読み取り、画像化に成功した。IPシステムを用いて体表面から深さ10mmの^<90>Yの画像化は可能であるが、深さ10mm以上に存在する^<90>Yのベータ線による画像化は不可能である。2. ^<90>Y由来の制動X線を検出による^<90>Y生体内分布の3次元画像化法の構築National Electrical Manufactures Associationの評価規格(NEMA Standard)を参考にして、10cm深さにおける^<90>Yのβ線に由来する制動X線に対するガンマカメラの空間分解能を決定した。分解能測定は、^<90>Yのβ線を遮蔽するための吸収体を伴う場合および吸収体を伴わない場合の2種類を実施した。吸収体は、200mm×200mm×15mmのメタクリル製板とした。線源は、内径0.9mm長さ80mmのポリエチレン樹脂製キャピラリーチューブに^<90>Y 3.7MBq/0.05mLを充填し線状線源とした。画像読み取りのピクセルサイズは0.2mm×0.2mmとした。^<90>Yのβ線を遮蔽するための吸収体を加えたときの半値幅(FWHM)で表されるシステム空間分解能は、20.5±0.7mmであり、吸収体がない時よりも分解能が30%向上した。体表面からの^<90>Yのβ線を確実に遮蔽することにより、分解能を向上させることができる。人体を模擬した心臓・肝臓ファントム内に^<90>Y点状線源を縦隔、腹腔内リンパ節に一致箇所に配置し、ガンマカメラを用いてファントムの2次元画像を得た。^<90>Y 3次元画像(BECT)の分解能は^<111>In 3次元画像(SPECT)より20%劣っていた。点状線源全てが^<90>Y BECT画像で確認できた。^<90>Y BECTは^<90>Yの生体内分布を捉えることが可能であり、臨床適用できる。
すべて 2009 2008
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Annals of Nuclear Medicine (In press)
ページ: DOI 10.1007/s12149-009-0233-9