研究概要 |
1. ^<90>Y由来の制動X線および^<111>Inのγ線の3次元同時画像化法の構築 ^<90>Y-Iritumomab tiuxetanを用いる放射免疫療法では、^<111>In-Iritumomab tiuxetanによる事前画像化が義務付けられている。このため、^<90>Y制動X線を捕らえる3次元画像化法^<90>Y Bremsstrahlung Emission Computed Tomography (^<90>Y BECT)を実施する際、体内に残存する^<111>In-Iritumomab tiuxetanの^<111>Inγ線が^<90>Y BECT画像を阻害する。この問題を解決するため、新たに、^<90>Yおよび^<111>Inの同時収集により、これらの画像を分離できる方法を構築した。^<90>Yおよび^<111>Inを分離収集できる複数のEnergy windowおよびガンマカメラの計数効率を決定した。人体を模擬したファントム実験により、マルチウインドウそれぞれのエネルギーにおけるガンマカメラの^<90>Yおよび^<111>Inに対する計数効率を用いて、独自に構築した画像演算式を構築した。^<90>Yおよび^<111>In画像を画像演算式を用いて 分離した。さらに、SPECT性能評価用ファントムで得られた^<90>Yおよび^<111>In画像を比較することによって^<90>Y制動X線および^<111>Inγ線の3次元同時画像化法の妥当性を証明した。本法によって^<90>Yおよび^<111>In画像が臨床適用できるか否かを分解能および感度の観点から決定した。 Energy windowは、65keV, 80keV, 95keV 120keV, 145keV 171keV、190keV, 247keV, 299keVが最適であった。120keV、247keV windowにおける感度比(^<90>Y/^<111>In)は1/40, 1/400であった。投与量および^<111>Inの減衰を考慮すれば、120keV windowでは^<90>Yおよび^<111>Inが同程度の感度で画像が得られ、247keVでは^<111>Inのみの画像が得られた。両者の画像の計数値から算出された^<90>Yおよび^<111>Inの放射能は、ファントムに充填した放射能と一致した。 2. ガンマカメラの^<90>Yに対する感度画質改善 ガンマカメラによって得られた^<90>Y制動X線スペクトル(0-300keVまで分布)対し、30keVごとにエネルギーウインドウ9個を設定し、それぞれのエネルギーウインドウにおける画像を加算することによって、分解能を維持しつつ、感度を改善させることに成功した。さらに、マルチウインドウ散乱線補正法、コリメータ開口補正を加えることにより、FWHMで表示される分解能は、2.5cmからFWHM 2.0cmに改善することができた。
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