研究課題
本研究の目的は、^<90>Y-Iritumomab tiuxetan療法(^<90>Y療法)における患者の生体内および病巣線量を定量し、^<90>Y療法の治療精度を向上させるために1)90Y由来の制動X線を検出による^<90>Y生体内分布の3次元画像化法の構築すること2)ガンマカメラを用いる^<90>Y由来の制動X線および^<111>Inのγ線の3次元同時画像化法を構築することである。昨年度までに、ガンマカメラを用いる^<90>Y由来の制動X線および^<111>Inのγ線の3次元同時画像化法を構築した。今年度は、ガンマカメラの^<90>Yに対する感度改善法を構築し、^<90>Y BECTが臨床適用できるレベルにすることであった。ガンマカメラによって得られた^<90>Y制動X線スペクトル(0-300keVまで分布)対し、20keVごとにエネルギーウインドウを設定し、それぞれのエネルギーウインドウにおける画像を加算することによって、分解能を維持しつつ、感度を改善させる。さらに3次元画像再構成時に、X線CTによる吸収補正、散乱線補正、およびコリメータ開口補正等を加えることにより、分解能を向上させて画質の改善を行い、^<90>Y BECTが臨床適用できるレベルにすることであった。^<90>Y BECTの分解能はFWHMで2.0cmであり、有意な向上は見られなかったが、3次元逐次近似法およびコリメータ開口補正により、ノイズが低減され、画質は大幅に向上した。視覚的下限値は20kBq/mlであり、統計学的下限値は50kBq/mlであった。集積部位の放射能が50kBq/ml以上であれば^<90>Y BECT画像を用いて5%の誤差で線量評価できると考えられた。これらの基礎実験結果に基づいて、臨床画像の取得を行い、X線CTと^<90>Y BECT画像のフュージョンにも成功した。これらの成果をヨーロッパ核医学会および、日本放射線技術学会九州地方会にて発表した。
すべて 2010
すべて 学会発表 (2件)