研究課題
【具体的内容】(1)まずブルズアイ表示の血流自動解析ソフトの検証を行った。(米国核医学会SNM2010、アジア心血管イメージング学会ASCI2010にて発表)(2)2社(AZE社,Fuji Film社)の異なるイメージフュージョンソフト(ワークステーション)を用いて、正しくブルズアイマップ上に冠動脈が投影されているかを検証した。(3)「冠動脈CTアンギオグラフィと心筋血流シンチグラフィのブルズアイマップ上のイメージフュージョン」を20例で行い、標準的(平均的)冠動脈支配領域表示ブルズアイマップを作成した。【意義】心筋血流シンチグラフィ(SPECT, Single Photon Emission Computed Tomography)で得られる心筋血流情報は、一枚の同心円表示(ブルズアイマップ)にて心筋全体の血流情報を表示できる。しかし、ブルズアイマップ上のある部位の血流がどの冠動脈により分配(支配)されているかの判断はおよその推定により行われてきた。一方、マルチスライスCT得では鮮明な冠動脈CTアンギオグラフィが得られるようになり、CTで得られた冠動脈をブルズアイマップ上に投影することで、ブルズアイマップ上の冠動脈支配(分布)を知ることが出来る。この「冠動脈CTアンギオグラフィと心筋血流シンチグラフィのブルズアイマップ上のイメージフュージョン」を多数例で行い、標準的(平均的)冠動脈支配領域表示ブルズアイマップを作成した。【重要性】この標準的(平均的)冠動脈支配領域表示ブルズアイマップは、心筋血流シンチグラフィのブルズアイマップにおける責任冠動脈をより正確に推測する上で臨床上有用なガイドマップとなると考えられる。【今後の発展性】ブルズアイマップは一枚の同心円表示で心筋全体の血流情報を表示できるメリットがあるが、心尖部よりの面積が実際よりも小さく、心基部よりが大きく表示され、心筋虚血範囲(面積)を正しく表示されていない。面積を正しく表示できるブルズアイマップを開発して責任感動脈の支配領域の範囲(面積)を正確に評価できるようにしたい。
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