研究概要 |
平成21年度の主な研究成果は[^<18>F]酢酸エステルの標識合成と品質検査を行い、まず[^<18>F]酢酸エステルの合成と反応濃度の最適化について検討した。[^<18>F]酢酸エステルの標識合成には日本赤十字社熊本健康管理センターPET-CT診断センター内のサイクロトロン及び、FDG合成装置を利用し、生成した試料の分析には、HPLC、UV検出器、NaIシンチレーションカウンタを用いた。^<18>Fの生成核反応^<18>O(p, n) ^<18>Fの核反応により無担体の^<18>F^-イオンを得る。[^<18>F]酢酸エステルの合成ICH_2COOC_2H_5+Kryptofix222-^<18>F→^<18>FCH_2COOC_2H_5のイオン交換反応が起こり、[^<18>F]酢酸エステルが生成する。合成実験の結果では放射化学的純度は99%以上、pH6.5-7.0であった。品質管理実験ではパイロジェン検査(-)、無菌検査<->であり、いずれも問題無かった。引き続き、健常者(主任研究者および研究協力者の2名)において実際に^<18>F-Acetateおよび11C-Acetateの体内分布を調べた。 11C-Acetateは従来の如く膵臓に取り込まれ、また薄く肝臓および耳下腺に取り込まれた。それに対し、18F-Acetateは30分投与後と60分投与後の経時的変化において、特に取り込まれた臓器は無く、代謝および排泄が腎臓から膀胱へと排泄された。以上の如く18F-Acetateは健常人に対して、特に集積する臓器はなく、速やかに腎臓を通して暴行から排泄されることがわかった。一方体内投与後に18Fがacetateより脱離すると、骨に取り込まれるが、骨には集積していなかったので、18Fがacetateより脱離していないことがわかった。18F-acetateは前立腺癌培養細胞株CWR22腫瘍に集積することが報告されているが、18F-Acetateによる腫瘍検索剤としてのCWR22腫瘍を用いた動物実験を行い、腫瘍への取り込み機序およびその代謝分布についてマウスについて行う予定である。
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