研究分担者 |
江藤 敏治 宮崎大学, 医学部, 准教授 (30363576)
小玉 隆男 宮崎大学, 医学部, 准教授 (40153564)
石田 康 宮崎大学, 医学部, 教授 (20212897)
若松 秀行 宮崎大学, 医学部, 助教 (90419648)
矢野 貴徳 宮崎大学, 医学部, 講師 (20315378)
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研究概要 |
若年者の喫煙習慣は社会問題の一つであり,虚血性心疾患や血管炎などの循環器疾患,肺気腫等の呼吸器疾患の様に不利益な状態を早期に齎し慢性化する可能性が報告されている。また喫煙習慣が脳循環代謝に及ぼす影響についても数多く報告されているが,若年者で特に画像診断解析手法を用いての研究報告は少ない。本研究では10歳代後半から20歳代までの若年男性喫煙習慣者において禁煙治療前後で脳血流および糖代謝の変化をPET検査およびSPECT検査を用いてモニタリングし、喫煙の脳血流・糖代謝への影響について画像的に解析するとともに、禁煙治療による脳循環代謝の変化・改善を証明した。 SPM5を用いた画像統計解析法により2群間の比較を行い、以下の2つの項目を検討した。 (1)若年喫煙習慣者の脳血流分布・脳血流分布値・脳糖代謝の特徴 (2)禁煙後における脳血流・脳糖代謝の変化、喫煙時との比較 (1)では非喫煙者の正常コントロールと比較して帯状回前部を含めた大脳辺縁系の有意な局所脳血流低下と糖代謝低下が証明された。また前頭葉下部および頭頂葉後部の血流低下・糖代謝低下も認められ,うつ状態およびうつ状態に伴う認知機能異常との関連も示唆された。 (2)では喫煙状態と比較して,禁煙治療導入後では帯状回前部などの脳血流低下・脳糖代謝低下領域は消失した。禁煙治療法導入により,脳血流,脳糖代謝改善をはかることで,循環器疾患,呼吸器疾患以外にも有意義な治療効果があることが証明された。
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