研究概要 |
3.0T(テスラ)の高磁場MR装置はわが国でも導入されつつあり、現在では100台以上が稼動している。3.0T装置は従来の1.5T装置に比べて極めて高いSNR(signal to noise ratio)を有し、関節軟骨などの微細構造の高分解能画像獲得には高い期待が寄せられてきた。しかし3.0T装置はわが国での認可が遅れたためもあり、今まで広く普及してきた1.5T装置に比べて、関節画像に必須な表面コイルやそのアプリケーションなどの付帯設備やその技術が極めて未熟、不備である。そこで本研究はようやく普及しだした3.0T機の関節MRIについて、周辺機器を含めて最適化し、変形性関節症の超早期診断のために関節軟骨の微細損傷描出を目指して究極の高分解能画像を追求するものである。 平成21年度は当大学とメディカルサテライト八重洲クリニックのMR装置を用い、ファントムと被検者を用いて、spin echo, fast spin echo, gradient echo法など基本パルス系列の調整を行った。それと共に、TR, TE, flip angleなど各パラメータを決定した。またスライス厚みや撮像視野、マトリクス数などの調整による最終的に100ミクロン程度の空間分解能達成の可能性を示すことができた。
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