研究課題/領域番号 |
20591455
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
成瀬 昭二 京都府立医科大学, 医学研究科, 准教授 (50106407)
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研究分担者 |
西村 恒彦 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (70237733)
田中 忠蔵 明治国際医療大学, 医学教育研究センター, 教授 (80163541)
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キーワード | 磁気共鳴法(MRI) / 脳機能分子イメージング / Mn-enhanced MRI / 2次元磁気共鳴スペクトル / 神経細胞再生 / 免疫 / 超高速化学シフト画像 |
研究概要 |
「目的」多核種NMR脳機能分子イメージングの技法を実用化し、脳機能解明と脳神経疾患解析の研究に資することを目的とする。特に"神経細胞の再生"と"免疫系の特異性と脳機能との関連"についての解析を主な対象とし、基礎実験を踏まえて臨床実用化への試みを行った。 「方法・結果」昨年度に引き続き、以下のようなMR脳機能分子イメージングの実用化を行った。(1)マンガン増感磁気共鳴画像法(Mn-enhanced MRI)をラット実験的脳虚血モデルでの神経細胞再生時の線維連絡の解析およびグリアの変化の解析に適用した。(1)神経細胞興奮時のCa^<2+>チャンネル開口に依存した神経賦活の検出、(2)神経細胞とグリアへの取り込みで、細胞の形態と機能を反映した高分解能画像の取得、(3)軸索輸送による神経線維走向の画像化、などが可能となった。臨床応用へはMnの毒性をいかに軽減するかに依存しており、今後の研究に期待したい。(2)抗原抗体反応を検出するための高分子にMR感受性物質(Fe, Gd)を結合させ、実験動物体内分布を画像化する技術的検討を行った。また、腫瘍免疫特異性反応リンパ球にMR感受性物質を呑食させる基礎的技術開発を行った。しかし、特異免疫機能を残して接合することは現時点では困難であり、今後の研究課題として残されてた。(4)高速化学シフト画像法と2次元相関磁気共鳴MRSを用いて、アミノ酸(NAA、Glutamate等)の分布と神経細胞の代謝活性を画像化する方法を検討し、臨床用3.0T臨床用装置への応用を試みた。 以上、本年度は磁気共鳴脳機能分子イメージング法の動物実験を主とした技術的検討のまとめと、臨床応用への可能性を検討した。Mn-enhanced MRIは動物実験では一定の目的が達成できた。また、2次元MRS技術の応用も臨床応用が可能となった。免疫系の画像化に関しては更なる検討が必要であった。
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