研究課題/領域番号 |
20591456
|
研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
田岡 俊昭 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (30305734)
|
研究分担者 |
中川 裕之 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (70231462)
吉川 公彦 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (10161506)
岸本 年史 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (60201456)
木内 邦明 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (20398449)
|
キーワード | MRI / 脳 / 拡散テンソル異常 / アルツハイマー |
研究概要 |
初年度の研究であり、方法論に関する検討の充実を試みた。 具体的には、拡散テンソルトラクトグラフィーを用いて、線維束に限定した拡散異方性(FA)等の測定を行うTract based analysisにおいて、トラクトの描出の際に用いるFA閾値の設定が、測定値にどのような影響を与えるかを検討した。 対象は様々な重症度のアルツハイマー病症例と対照群である。拡散テンソル画像から両側の鉤状束と考えられるトラクトをテンソル解析ソフトウェアで作成する際に、そのFA閾値を0.1、0.15、0.2、0.25の4段階に設定、AD各群と正常例でそれぞれのFA閾値で作成したトラクトに沿ったFA値とADC値を比較検討した。その結果、Tract based analysisの際のFA閾値により、測定値は影響を受けたが、AD重症度間の関係は変わることはなかった。群間の有意差はFA=0.15〜0.2の閾値を用いたときにより鋭敏に検出される傾向にあった。このことから、今後の検討を進めていく際のFA閾値を0.18と決定することとした。また、今回の結果からは、以前からのパイロットスタディの結果と同じく、今回の検討でもアルツハイマー病の重症度と、ADC値の上昇、FA値の低下は良好な相関が見られた。 この検討により、今後測定を積み重ねるに際しての標準的方法を策定することができ、長期にわたる経過観察での解析条件の統一が可能となった。
|