研究概要 |
CTによる閉塞性血管病変の診断法に関し,造影CTによる横断像からの再構成画像によりボリュームレンダリング法にて造影剤が存在する特定のCT値の領域を選択的に表示する方法,およびグラディエントを利用して,最大値投影法で造影剤が存在する血管内腔を選択的に描出する方法を開発した.石灰化や金属ステントなど高吸収を示す構造物のパーシャルボリュームは造影剤のCT値と一部重なりがあるため,造影CT画像単独の処理ではこれらを完全に分離することは困難であった. 本研究ではさらに単純CTを用い,造影CTとの差分を取ることで,上記の高吸収を示す構造物の影響を極力排除し,造影される血管内腔を選択的に描出することに成功した.本法は単純CTと造影CTの位置がずれることでアーチファクトを生じうるが,観察対象となる部位を絞り,そこに位置ずれの補正を加えることで,良好な結果を得ることができた.また,この位置補正を応用することで,心臓など動きを伴う臓器への応用の可能性も示唆された.
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