研究課題/領域番号 |
20591461
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
橋本 順 東海大学, 医学部, 准教授 (20228414)
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研究分担者 |
彌富 仁 法政大学, 理工学部, 講師 (10386336)
佐々木 貴浩 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (60306694)
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キーワード | 認知症 / 脳血流SPECT / MRI / 画像診断 / 鑑別診断 / アルツハイマー病 |
研究概要 |
平成21年度においても、橋本と佐々木による臨床データの収集と彌富による識別器プログラムの作成とその検証、実際にプログラムを用いての解析に分かれて研究が行われた。 臨床データの収集においては、アルツハイマー病、レビー小体型認知症、認知症を伴うパーキンソン病、前頭側頭型認知症、皮質基底核変性症、進行性核上麻痺、正常圧水頭症、脳血管性認知症の症例について引き続き行われた。データは臨床症状、高次脳機能検査所見、MRI検査所見、脳血流SPECT検査、心臓交感神経機能検査(MIBG)所見からなり、MRIと脳血流検査については通常の画像処理の他に、画像統計解析を行い(VSRAD法ならびにeZIS法)、それらの結果をデータに加えた。平成21年度ではこのなかでデータ収集が進んでいるレビー小体型認知症、認知症を伴うパーキンソン病について解析を施行するためのデータの整理を行った。 平成20年度に購入したワークステーション上においてすでに作成したサポートベクターマシーン識別プログラムを用いて、パーキンソン病/レビー小体型認知症かそうでないのかを識別するためのバイナリクラス識別を行った。多くの臨床指標、検査指標のなかでMIBGの洗い出し率と心臓/縦隔比が鑑別に有用であったが、これらの疾患についてはMIBG検査自体の診断精度が高いため、従来から用いられてきた線形の識別器と今回導入したサポートベクターマシーン識別器との間で診断精度に大きな差はなかった。今後サポートベクターマシーンの有用性が期待できるアルツハイマー病などのデータについて検討を行う予定である。認知症の症例データのみでなく、プログラムの作動をテストするためにすでに持っている黒色腫の良悪性を鑑別する研究や周術期心事故予測の研究で使用したデータを試験的にかけて随時精度評価を行っている。
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