研究概要 |
胸部単純X線写真の画像診断では,過去に撮影された同一被検者の画像と現在画像を差分処理して得られる経時的差分画像を臨床使用している.本研究では,1枚の対象画像から経時的差分画像を得るために,同一患者の過去画像のかわりに,画像データベースから類似した被検者の胸部X線画像を自動検索し,類似差分画像を取得するシステムを開発した.本研究で使用する胸部X線撮影に要する患者被ばく線量を測定し検討を行った。 1)今年度は,類似した被検者の胸部X線画像を自動検索して類似差分画像を取得するシステムを開発した.本自動検索システムは,対象画像に対して,最も類似度が高い類似画像を効率良く選出することができた.なお,この成果は,医用画像情報学会雑誌に論文として発表を行った. 2)本システムの入力画像の患者被ばく線量の程度について検討を行った。胸部X線撮影、X線CT撮影およびフラットパネル検出器(FPD)装置を用いたディジタル直線断層(トモシンセシス)撮影の患者被ばく線量を測定し、それぞれの撮影モダリティによる患者被ばく線量の比較を行った。本研究から、胸部X線撮影およびトモシンセシス撮影による患者被ばく線量は、X線CT撮影に比べて大幅な被ばく低減が可能である。この成果については,学会雑誌に論文投稿している。
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