研究課題/領域番号 |
20591464
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研究機関 | 京都医療科学大学 |
研究代表者 |
小田 敍弘 京都医療科学大学, 医療科学部, 教授 (60460747)
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研究分担者 |
笠井 俊文 京都医療科学大学, 医療科学部, 教授 (70194701)
森 正人 京都医療科学大学, 医療科学部, 准教授 (50378767)
田畑 慶人 京都医療科学大学, 医療科学部, 講師 (20369656)
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キーワード | 肺癌 / 類似差分X線画像 / CAD / FPD |
研究概要 |
(1) 胸部X線画像の画像診断では、肺癌(結節状陰影)の検出感度が高くて偽陽性数を減少させることが望まれる。本研究では、胸部類似差分画像を用いて結節状陰影の検出の程度について検討を行った。 放射線科医によるROC解析によって、本CADシステムの有用性を評価した。本手法を用いたとき、すべての放射線科医のAz値は向上した。8名の放射線科医が単独で検出を行ったときのAz値は、0.925で、本手法を用いたときの放射線科医のAz値は、0,974に有意に改善された(P=0.004)。このことから、本手法の使用は、特に放射線科研修医が有効であると思われる。オブザーバによるROC実験では、すべての放射線科医の診断能力を向上させた。 (2) 放射線科医にとって胸部X線画像による結節状陰影の良悪性鑑別は、難しい診断であることがよく知られている。今回、胸部X線画像における肺癌の良悪性鑑別の診断精度向上のために、類似差分画像を用いたコンピュータ支援診断システムの開発を行った。本研究では、新たなCADシステムのアプローチとして、類似差分画像による結節状陰影の良悪性鑑別の自動化手法を開発した。本手法では、類似差分画像から結節状陰影を自動的にセグメンテーションする。次に、セグメンテーションされた肺結節領域を用いて、類似差分画像における同領域の画像特徴量と、オリジナル胸部画像における同領域の画像特徴量とを用いて良悪性鑑別を行う。良悪性鑑別には線形判別法を用いた。線形判別法の出力値は分離境界の超平面からの距離と考えられるので、結節状陰影の悪性の程度を表現する尺度とした。本研究結果から、類似差分画像から得られた線形判別法の数値データが第二の意見として、放射線科医に利用されれば、結節状陰影の良悪性鑑別のために有効な手法となることを示唆した。
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