研究分担者 |
甲斐田 勇人 久留米大学, 医学部, 助教 (40299425)
倉田 精二 久留米大学, 医学部, 助教 (80268888)
鹿毛 政義 久留米大学, 医学部, 教授 (80148840)
藤田 博正 久留米大学, 医学部, 教授 (90156878)
早渕 尚文 久留米大学, 医学部, 教授 (20108731)
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研究概要 |
食道癌57症例(男性52例、女性5例;平均69歳)のPET/CTを術前に施行する。TNM classification(International Union Against Cancer)により、stage I:8例、stage II:14例、stage III:24例、stage IV:2例であった。術後57症例の摘出標本の、GLUT1,3,4の免疫染色を行った。その結果を、PET/CTにて得られたパラメータであるSUVmaxとの統計学的処理を行った。その統計処理により、GLUT1,3,4とSUVmaxとの関連性を調べた(石橋・倉田・甲斐田・小林)。GLUT1、3のみがSUVmaxと相関(GLUT-1; r=0.475, p<0.001)した。GLUT-3は、マクロファージと関連があるので、VEGFを免疫染色した結果とGLUT-1, SUVmaxとの統計学的処理を行った。その結果、GLUT-1のpositive scoresは、59.6%(34/57),VEGFのpositive scoresは70.2%(40/57)にみられた。FDG SUVmaxは、VEGF発現に相関した(p=0.009)。VEGF発現は、p-T stageとGLUT-1発現に相関した(p-T stage:p=0.032, GLUT-1:p=0.001)。VEGFとGLUT-1は相関した。VEGFRなどに刺激が加わるとPKCは活性化され下流へと刺激が伝達され、細胞応答が起こる。従って、EGFR、VEGFRやPKCとFDGとの関係を検討することにより、細胞増殖動態とFDGとの関連性が解明を試みた。その結果、食道癌におけるFDG uptakeは、GLUT-1とVEGFの発現によって決定されることが解った。以上より、分子標的治療への足がかりとなる結果を見いだした。
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