研究課題
1.集積されたデータの解析◆健常、aMCI、ADにおけるβアミロイド集積(以下Aβ)と局所脳萎縮の関係BF227-PET画像、MR画像を用い、各アルツハイマー病の進行過程におけるAβ集積と脳萎縮の関連を明らかにし、さらに認知機能(MMSE)の低下がどのようにAβ集積や脳萎縮領域に関わるかを特定した。【対象】東北大学にてBF227-PET、MRI、神経心理検査を実施した次の3群である。・健常高齢者(以下NL):15名(MMSE:29.9±0.3)・健忘性軽度認知障害患者(以下aMCI):20名(MMSE:25.5±2.3)・アルツハイマー病患者(以下AD):21名(MMSE:20.1±3.4)【結果】・MR画像の結果は、ADの進行段階に応じた萎縮領域が認められた(内側側頭葉、前・後部帯状回、側頭葉など)。・BF227画像の結果は、ADはNLと比較して、後部帯状回、楔部、楔前部、後頭葉、下側頭回などにAβ集積領域を認めたがaMCIとの差異は認めなかった。Aβ集積はMCIの段階で既に飽和しつつあると思われた。また、aMCIはNLと比較して、前・後部帯状回、楔部、楔前部、後頭葉、下側頭回などにAβ集積領域を認めた。・MMSEとの相関は、灰白質体積は、AD、aMCIとも、高いMMSEスコアと正の相関を示したが、Aβ集積領域は、aMCIのみ高いMMSEスコアと負の相関を示し、ADでは相関を認めなかった。萎縮の程度は、AD、aMCIとも認知機能に影響を与えるが、Aβ集積の程度は、aMCIでは認知機能に影響を与えるが、ADに至れば影響しないことが推測される。Aβ集積と脳萎縮領域の相関は、AD、MCIとも広範な領域で負の相関を示し、Aβ集積に対応した局所脳萎縮がAD、MCIの段階においてもなお進行していると考えられた。また、NLでは、比較的限局した領域(海馬など)で認められた。Preclinical段階での神経細胞死の進行をとらえた可能性がある。
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