研究課題/領域番号 |
20591474
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
今井 國治 名古屋大学, 医学部, 准教授 (20335053)
|
研究分担者 |
池田 充 名古屋大学, 医学部, 教授 (50184437)
川浦 稚代 名古屋大学, 医学部, 助教 (60324422)
|
キーワード | 頭部CT検査 / 画質評価 / 線量評価 / 画像診断 / 医療被ばく / 画像ノイズ / ストリークアーチファクト / 鮮鋭度 |
研究概要 |
本申請研究の主たる目的は、X線線量と画質との関係を明らかにし、CT検査における最適なプロトコール確立のための基礎情報を与えることである。特に本研究では頭部CT検査に着目して検討を行った。その研究概要を以下にまとめる。 1.ノイズ及びアーチファクトのX線線量依存性。2.鮮鋭度評価法の考案 項目1に関して、前年度に考案したTop-hat変換型Gauss及びGumbel法を用いてノイズ及びアーチファクトの定量解析を実施した。両者は共にX線線量の平方根に逆比例することが判明した。この性質はノイズに関してよく知られているが、アーチファクトについても同様の性質を有していることは全く知られていなかった。そこで、数理統計学的にノイズとアーチファクトとの関連を検討したところ、両者はほぼ無相関であり、その原因は発生機構の違いに起因すると考察した。また、この線量依存性は線量を増大させてもほとんど画質改善が見込めない領域、つまり、画質改善可能な線量閾値が存在していることを示唆している。そこでこの推察を検討したところ、機種によってその大きさは異なるが、画質改善可能な閾値が存在することが明らかとなり、その値よりも大きな線量を与えても、画質に改善が認められないことが視覚的にも確認された。なお、これらの研究成果を国内で開催された学会で発表したところ、ポスター賞一件、優秀研究に四件、選ばれた。 項目2についてであるが、来年度は造影CT検査に関しても検討を行う予定である。前年度、造影CT画像を信号検出論的観点から解析できるように「あいまい度」と呼ぶ評価指標(カオス理論より導出)とTop-Hat変換型CNR推定法を考案した。しかし、これらの指標では鮮鋭度の評価は困難である。そこで今回、鮮鋭度評価に有益な情報をもたらすLSFを確率微分方程式の解として求め、新たな鮮鋭度評価指標を考案した。これに関しては現在検証中である。
|