研究課題/領域番号 |
20591474
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
今井 國治 名古屋大学, 医学部, 准教授 (20335053)
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研究分担者 |
池田 充 名古屋大学, 医学部, 教授 (50184437)
川浦 稚代 名古屋大学, 医学部, 助教 (60324422)
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キーワード | 頭部造影CT検査 / 画質評価 / 水晶体吸収線量 / 画像診断 / 造影剤の吸収端 / 画像ノイズ / ストリークアーチファクト / コントラスト分解能 |
研究概要 |
本申請研究の主たる目的は、造影CT検査における被ばく線量を測定した上で、申請者らが考案した画質評価法及び本申請研究で作成した頭部血管ファントムを用いて、造影CT画像の画質評価を行い、造影CT検査における最適プロトコール確立のための基礎情報を与えることである。その成果概要を以下に要約する。 ○ アーチファクト及びコントラスト分解能のX線線量依存性 まず、X線管電圧を80-140kV、X線管電流量(実効mAs値)を49-350mAsに変化させて、重要臓器の一つである水晶体のX線吸収線量を測定した。実効mAs値一定の下では、X線管電圧の上昇と共に水晶体吸収線量は増加した。そこで、X線管電圧の変化に伴い造影CT画像の画質がどのように変化するかを検討するため、本申請研究期間中に考案したTop-hat変換型Gumbel法及びSNR解析法を用いてアーチファクト並びにコントラスト分解能の定量解析を実施した。アーチファクトは、どの実効mAs値においても、X線管電圧の上昇と共に目立たなくなる傾向を示した。しかし、100kV、252mAs(メーカー推奨値)以上に撮像条件を設定すると、アーチファクトは著しく軽減し、その目立ち方も、この撮像条件範囲内では、ほぼ同程度になることが判明した。これに対し、80kVに関しては、実効mAs値をメーカー推奨値以上にしても、あまりアーチファクトは軽減せず、その量は100kV以上のものと比べ2倍程高かった。一方、コントラスト分解能については、常に100kVにおいて高いSNRを示したが、実効mAs値をメーカー推奨値以上にしても、効果的にSNRは改善されなかった。以上の結果から、X線管電圧を100kV、実効mAs値をメーカー推奨値程度に設定した上で、頭部造影CT検査を行うことが望ましいと結論づけた。なお、この解析理論を国内で開催された学会で発表したところ、優秀研究に選ばれた。
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