平成20年度に構築した研究用画像データベースに臨床CT3次元画像データの蓄積を開始した。平成21年度には臨床CT3次元画像データの蓄積を継続的に行っており、当該目的のために必要な1年以上におよぶすべての肺野CT検査のデータ蓄積が行われ、現在も継続的に蓄積保存し管理されている。これにより1年間に2回以上の肺野CT検査を施行した患者のCT画像データを臨床検討に用いることができるようになった。 また利用する画像データのサイズが膨大であるため、上記研究用画像データベースから研究用画像処理装置への転送には大変長い時間を労してしまう。このデータ転送速度を高速化するため院内放射線部LANを利用して高速転送が可能なシステムを構築し利用を開始した。 次に肺野の経時的な変化をとらえるため、2回の3次元CT画像を重ね合わせる必要があり、1回目の画像を2回目の画像と同じ形状に変形する。この作業のための周辺技術開発を進めた。カナダTomographix社製の非剛体重ね合わせエンジンを用いて重ね合わせを行うため、重ね合わせエンジンに3次元画像を読み込ませるインタフェイスの作成を行った。次に、その重ね合わせられた変形後CT画像をDICOM形式で保存するソフトを開発した。ここで保存された1回目変形後CT画像と変形のない2回目CT画像を別途3次元画像処理ソフトにより処理することで差分画像を作成することができるようになった。これらにより臨床検討に入る準備が整った。
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