研究課題/領域番号 |
20591477
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
金澤 右 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (20243511)
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研究分担者 |
三村 秀文 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (10304362)
郷原 英夫 岡山大学, 岡山大学病院, 助教 (10379745)
平木 隆夫 岡山大学, 岡山大学病院, 助教 (50423322)
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キーワード | ラジオ波治療 / ステント治療 / リザーバ治療 |
研究概要 |
肺ラジオ波焼灼療法は本邦では先進医療として行われている。一般に効果判定はCTを用いて大きさを基準に行われている。FDG-PETは機能的診断という画像診断法であり、現在では肺癌診療には欠かせないモダリティとなっているが、ラジオ波焼灼療法後の詳細を検討した報告は見当たらない。平成22年度には登録症例から無再発例においてFDG-PETの集積程度が3ヶ月、6ヶ月で変化するのかを検討した。 (1)患者および背景:該当症例は30例で、合計35結節であった。性別は男性18例、女性12例で、年齢は68.3±9.5歳であった。腫瘍は原発性肺癌が8結節、転移性肺癌が27結節であった。転移性腫瘍の原発巣は大腸16、肺癌4、肝細胞癌3、食道癌2、咽頭癌、腎癌がそれぞれ藍であった。平均腫瘍径は17.7±7.1mmであった。 (2)RFA:使用したラジオは電極針の展開径は2から4cmであった。最大出力は35から190ワットで、総焼灼時間は8から51分であった。 (3)CT:CTではいずれも治療前よりも1ヶ月後に焼灼域は増大していたが、3ヶ月、6ヶ月と縮小傾向であった。造影効果もいずれも15m以下であった。 (4)PET-CT:治療前のSUVmxは4.66±2.56で、3ヶ月後、6ヶ月後にはそれぞれ4.17±2.40、2.84±1.84であった。6ヶ月後のSUV maxは治療前、3ヶ月後と比較して有意に低下していた。治療前と3ヶ月後との間には有意差はなかった。 治療後3ヶ月のSUVmaxが有意な低下を示さなかったのは、焼灼された腫瘍周囲肺実質に遷延する炎症反応、肉芽腫反応が残存するため低下しなかったものと思われた。この結果からいえば治療後3ヶ月でのFDG-PETは疑陽性が多いため控えるべきであり、6ヶ月後に判定することが望ましいといえる。
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