研究課題/領域番号 |
20591484
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研究機関 | 大分県立看護科学大学 |
研究代表者 |
甲斐 倫明 大分県立看護科学大学, 看護学部, 教授 (10185697)
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研究分担者 |
遠藤 章 日本原子力研究開発機構, 原子力基礎工学部門, 研究員 (10354705)
高橋 史明 日本原子力研究開発機構, 原子力基礎工学部門, 研究員 (20354706)
佐藤 薫 日本原子力研究開発機構, 原子力基礎工学部門, 研究員 (80354702)
伴 信彦 大分県立看護科学大学, 看護学部, 准教授 (70251220)
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キーワード | 線量評価 / CT診断 / ボクセルファントム / モンテカルロ / 臓器線量 |
研究概要 |
平成21年度に完成したインターネット上のWebベースでCT診断からの線量計算を行うシステム(WAZA-ARI)を改良発展させるために、1)JFファントムを平均的日本人(身長155cm,体重52kg)の体型に合わせたボクセルファントムに修正したJFファントムを用いたモンテカルロ線量計算、2)AECモードに対応した計算モデルとシステムの変更、3)CT装置での実験的線量測定とシステムの計算値との比較、4)英国ImPACTグループとの情報交換からの運用方法の検討、について研究を実施した。臨床でよく利用されるAECモードで体型による身長方向の電流変化を分析し、機種による違いや肝臓エッジを際立たせるためのアルゴリズムなどを本システムで考慮することは困難であることから、個人の体型に近い情報を入力する方法として、(1)肺尖1スライス目、(2)気管分岐部、(3)左肺野最終スライス(左腎直上)、(4)腸骨上縁の4カ所の電流値を入力するAECモデルを作成した。Webシステム(WAZA-ARI)上では、AECモードを選択すると、4カ所の電流値を入力することで計算を実行するシステムとなった。ガラス線量計を用いた物理ファントム実験での測定値を比較検証し概ね良く一致することを確認した。新しいCT機器に今後対応するための方法として、ImPACTからの情報を利用することが考えられるが、ImPACTは今後発展が期待できないことが情報交換からわかった。WAZA-ARIは我が国の臨床現場だけでなく、世界的な視野でWebベースのCT診断線量計算システムの臨床での利用が期待されるため引き続き改善を続けていく体制の構築が必要である。
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