研究課題/領域番号 |
20591485
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
加藤 和夫 明治大学, 理工学部, 教授 (80115104)
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研究分担者 |
薮原 忠雄 明治大学, 理工学部, 助手 (50445847)
土屋 一雄 明治大学, 理工学部, 教授 (00090100)
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キーワード | 癌温熱治療 / 治療支援システム / 3次元温度分布 / 有限要素法 / モデル化 |
研究概要 |
非侵襲的なハイパーサーミア技術の確立を目的として、治療支援システムの構築を目指している。本年度に得られた研究成果を以下に述べる。 (1)現在臨床で広く用いられているX線CT画像、MRI画像等の2次元医用画像から人体の3次元生体組織モデルを構築し、有限要素法による3次元温度分布推定計算のための有限要素モデルを作成した。さらに、ここで作成した3次元解析モデルに対して、サイバーグローブおよび3次元位置センサーを用いて、画面上で臨場感を持って体感できるシステムを構築した。 (2)上記(1)で構築した3次元有限要素モデルを用いて、ハイパーサーミア実施時の体内温度分布を推定するための高速3次元温度分布シミュレータを構築した。 (3)上記(1)および(2)で生成した画面上の3次元立体表示に対して、装着したサイバーグローブにより臨場感と立体感を持って観察評価した。 (4)温度分布シミュレータの性能評価では、これまでの寒天ファントムを対象とした温度分布解析では得ることができなかった人体特有の種々の組織に対する電磁波加温の影響を評価することが可能となった。具体的な1例としては、人体頭部を50万程度に要素分割し、脳腫瘍周辺の温度分布境界を詳細に評価することが可能となった。 今年度の研究結果から、3次元生体組織モデルの作成に多大な時間を要すること、さらには、これを用いた温度分布計算に対しても数十時間を要することが明らかとなった。 複数CPU計算による改善が望まれる。
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