研究課題
本研究では、癌温熱療法にコンピュータ技術を駆使し、その治療効果を向上させることを念頭に置いている。具体的には、非侵襲的なハイパーサーミア技術の確立を目的とした治療支援システムの構築を目指している。本年度に得られた研究成果を、研究目的および研究実施計画に照らして、以下にまとめる。1、臨床例に基づく評価基礎実験前年度までに確立した手法により、まず、2次元頭部MRI画像を用いて、3次元頭部人体モデルを構築した。この3次元モデルは、約100万要素で構成されており、眼球内も詳細に要素分割されている。このモデルを用いて、空胴共振器加温方式および針電極加温方式により加温した場合の3次元温度分布を有限要素法計算した。次に、胸部および腹部に注目し、約300万要素から成る3次元人体全身モデルを作成した。この全身モデルを用いて、空胴共振器加温方式のSAR分布計算を行った。2、本支援システムの総合評価上記1での温度分布計算およびSAR計算から、本研究で提案した3次元モデル化および本解析モデルの妥当性を実際に確認した。また、温度分布シミュレータの解析精度および高速化については、複数コア(本研究では、4コアおよび6コアの両方を用いた)を有するプロセッサを使用することにより、十分な性能であることを確認した。3、研究総括上記1および2を踏まえて、本支援システムの臨床応用への可能性を定量的に示すことができたと考えている。
すべて 2011
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)
Japan Society for Design Engineering
巻: (Selected Articles of ICDES2010) ページ: 7-12
巻: (Selected Articles of ICDES2010) ページ: 43-48