研究課題/領域番号 |
20591489
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
鬼丸 力也 北海道大学, 大学院・医学研究科, 講師 (80374461)
|
研究分担者 |
水田 正弘 北海道大学, 情報基盤センター, 教授 (70174026)
|
キーワード | 放射線治療 / リンパ節転移 / データ・マイニング / 頭頚部癌 / 総治療期間 / 再照射 / 情報学的手法 |
研究概要 |
1.前年度までに作成したデータベースを用い、舌癌患者のリンパ節転移・再発のパターンをデータ・マイニングの手法を用いて解析し、臨床に使える情報を引き出すことができるか検討した。1990年から2007年まで舌癌に対して放射線治療を行った患者のうち、リンパ節の情報が分かる186名を対象とし、association analysisを行った。(1)T1-2で同側IVリンパ節へ再発した場合、同側IIIリンパ節へも再発する、(2)同側Ibと同側III番リンパ節へ再発した場合、同側II領域にも再発する、(3)同側IV領域に再発した場合、同側III領域に再発する、といったruleが抽出された。 2.上咽頭癌の再発症例に対する治療成績を検討した。再発に対する再照射後の生存率は2年時点で58.5%、5年時点で18.3%であった。再照射後局所制御率は1年時点で67.9%、2年時点で43.1%であった。66Gyの照射後再発に対して65Gy/26回の再照射を行った1例に上咽頭粘膜潰瘍からの出血死を認めた。累積線量が110Gyを超えると合併症が多いという報告がある一方、再照射線量が60Gy未満では生存率が悪いという報告があり、線量の選択は難しいと思われた。 3.T1N0声門癌の治療成績と総治療期間の関係について検討した。北大病院で治療された声門癌T1N0症例201名を対象とし、局所制御率は5年で89.8%、総治療期間が46日以内では91.5%であった。晩期反応は一時的な気管切開を必要とした喉頭浮腫を1名で認めた。65Gy/26回/6.5週は46日以内の総治療期間では良好な局所制御率が得られ、晩期反応の頻度も臨床上問題とはならないと思われた。
|