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2009 年度 実績報告書

損傷修復遺伝子抑制とクロマチン損傷解析による放射線感受性増強法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20591490
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

川田 哲也  慶應義塾大学, 医学部, 講師 (60234077)

研究分担者 伊東 久夫  千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (20095574)
キーワード放射線増強 / 遺伝子抑制 / 染色体
研究概要

腫瘍細胞、正常線維芽細胞におけるNBS1,Ku70,Ku80遺伝子をsiRNA, inhibitory chemicalを照射と併用して放射線効果を増強させる方法を開発することを目的とする。腫瘍細胞と正常細胞の大きな違いは前者では腫瘍増殖分画が多いのに対して、後者は非増殖期の細胞が多く、後者では、遺伝子発現が低いことが予想され、正常組織では、放射線増感効果が乏しいことが予想されることから、有用な増感剤となりうると考えている。本年度は、放射線感受性細胞AT, NBS1細胞)、正常細胞、癌細胞のX線および粒子線における感受性の違いを検討した。X線に対する反応はAT、NBS1は、正常細胞と比較して異常な高感受性を示したが、低線量率やPLDR(Potentially lethal damage repair)の条件下では感受性に大きな差が見られ、ATと異なりNBS1細胞はPLDR下では、正常細胞に近い感受性が得られた。粒子線照射による感受性試験では、高LET照射ではAT, NBS1,正常細胞では同様な感受性を呈していたが、中から低LET照射では、ATでは修復が抑制された結果見られる切断断片が多くみられたが、NBS1では切断断片の残存はATに比べ有意に低い結果が得られた。ATM, NBS1遺伝子はいずれも二本鎖切断修復の初期に働く重要な遺伝子であるが、修復に与える影響が異なることが推測された。ATM遺伝子を抑制する分子を作用させて照射を行った実験では、やはり未結合の染色体断片が多くみられ、ATM遺伝子抑制は修復に影響を与えることが示された。

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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