研究概要 |
1. 放射線治療部門データベースシステムの改訂と推進 昨年度構築した放射線治療基本データベースシステムの改訂を行った.基本データベースシステムは各施設でカスタマイズが可能な設計となっており,各施設での利用の中で発生したエラーやカスタマイズ,項目の追加案などがデータセンターに報告され,JASTROデータベース委員会で協議された上で改訂を行う開発サイクルとなっている.本年度は各施設の意見を取り入れるとともに放射線治療が重要な役割を示す5疾患(乳癌,子宮頸癌,食道癌,肺癌,前立腺癌)の詳細な診療情報を集積できる疾患固有部分の各論データベースシステムを構築し,上記基本データベースにリンクさせた.これにより,基本+各論の2重構造のデータベースシステムに拡張した.JASTROホームページでの公開サイクルは平成21年6月11日にVersion 3.0を公開,平成21年11月24日にVersion 3.2を公開した.それぞれのWebページ延べ閲覧回数は591回,933回となっている(平成22年2月18日時点). 2. 各がん登録システムとのデータ連携 院内がん登録の登録システムである「Hos-CanR」と日本食道学会全国登録委員会が行っている食道癌全国登録の登録システム(臓器別がん登録の1つ)と、本研究で構築した放射線治療部門データベースシステムとのデータリンクシステムの構築を行った.それぞれのシステムで共通している個人情報項目をキーとして各システムのデータを相互に保管可能なシステムとなっている.ダミーデータを用いたテスト運用を行い,システムが正常に機能していることを確認した. また,米国IMPAC社の放射線治療部門のデータ管理システムであるMOSAIQの日本語化の開発とともに放射線治療情報の標準フォーマットの装填を昨年度から継続して進めている.
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