研究課題/領域番号 |
20591509
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
稲垣 光裕 旭川医科大学, 医学部, 講師 (80261410)
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研究分担者 |
小川 勝洋 旭川医科大学, 医学部, 教授 (50045514)
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キーワード | 骨髄細胞移植 / 分離幹細胞移植 / 無アルブミンラット / レトルリシン70%部分肝切除 / 急性肝傷害 / PCR / 免疫組織染色 |
研究概要 |
1. 正常型F344ラット(F344)由来で先天的にアルブミン産生能力を欠如した無アルブミンラット(F344alb)を用いて、肝細胞再生抑制効果のあるレトルリシン(RS)を腹腔内投与後に70%部分肝切除(PH)による肝再生刺激を加えるRS/PHプロトコールを用いた急性肝障害モデルを作成した。RS/PH処置による急性肝傷害ラットは、F344alb>F344、雄>雌、加齢>若年で致死率が高く、加齢・雄F344albを用いたRS/PHモデルを選択した。 2. F344albに対し致死線量の全身放射線照射後、F344由来全骨髄細胞を移植したキメラ状態F344albを作成した。キメラF344albを用いて、RS/PH処置後に出現する肝臓内の特異な小型肝細胞群(SC)は、組織染色法にてアルブミン発現がみられないことから、移植したF344骨髄細胞由来ではなくF344albの肝臓構成細胞由来であることを確認した。 3. RS/PH処置をしたF344alb(F344alb急性肝障害モデル)に対して、F344由来全骨髄細胞およびF344由来分離肝細胞をPH直後の宿主門脈内に移植、共に救命率が上昇することを確認した。これは、 細胞移植による肝機能障害抑制効果によるもので、分離肝細胞を移植した場合よりも全骨髄細胞を移植した群で救命率がより高いことを確認した。 4. F344全骨髄細胞を回収し、collagen-coated dishに付着したmultipotent mesenchymal stromal cellを増殖・維持する培養条件を整えた。急性肝障害F344albを効率的に救命する有効な細胞分画(細胞成分)や細胞培養で得られたcondition mediumなど検討を継続している。
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