研究課題
ブタにおける実験系で、超音波ドプラ装置(TCD)により血栓、脂肪塞栓、骨髄塞栓の鑑別が可能かどうかを検討した。血栓(7×20mm、5×10mm)と脂肪塞栓では、音響強度(10.9dB)にて、感度73.7%、特異度77.5%、Area Under curve(AUC)0.84。周波数偏位(208Hz)にて、感度86.9%、特異度82.3%、AUC0.93。脂肪塞栓と骨髄塞栓では、音響強度(10.9dB)にて、感度72.0%、特異度80.0%、AUC0.84。周波数偏位(196Hz)にて、感度85.7%、特異度91.8%、AUC0.95。骨髄塞栓と血栓(7×20mm5×10mm)では、音響強度(8.9dB)にて、感度52.5%、特異度66.6%、AUC0.58。周波数偏位(161Hz)にて、感度72.7%、特異度74.3%、AUC0.79となり周波数偏位がいずれも物質間の識別に有用であった。術後0および1日目に患側鼠径部にてTCDを用いHITSを同定した膝関節置換術47症例を、肺梗塞の有無により2群に分類した。それぞれの群で塞栓子が発生する音響強度(dB)、周波数偏位(Hz)を求めROC解析にて2群の識別値を算出した。音響強度(10.6dB)にて、感度63.5%、特異度54.9%、周波数偏位208Hzにて、感度75.0%、特異度78.3%。周波数偏位が肺塞栓を認める症例と、認めない症例の識別に有用であり、動物実験での脂肪塞栓と血栓の識別値である208Hzと一致した。塞栓子検出用ドプラ装置を用いて、ブタ実験において音響強度、周波数解析にて静脈内血栓を識別することができた。また整形外科膝関節置換術後、深部静脈血栓症症例にて静脈内に飛来する塞栓子の識別ができる可能性を示した。
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