研究課題/領域番号 |
20591514
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
菅野 範英 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教 (60332631)
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研究分担者 |
井上 芳徳 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (70280964)
地引 政利 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 寄附講座教員 (50422481)
工藤 敏文 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 寄附講座教員 (50431911)
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キーワード | 臨床 / 肺塞栓症 / TCD / 整形外科手術 |
研究概要 |
【目的】術後の深部静脈血栓症(DVT)は無症候性であることが多いが、時として致命的な肺塞栓症の原因となる可能性がある。術後に深部静脈血栓症を発症するリスクが高い膝関節形成術を施行された症例において、経頭蓋ドプラ超音波装置による静脈内塞栓子検出能力を検討した。【方法】膝関節形成術を施行された48症例において、術後に圧迫超音波検査、CT血管撮影で深部静脈血栓症と肺塞栓症の有無を確認した。経頭蓋ドプラ超音波検査では、大腿静脈内を通過する塞栓子をhigh-intensity transient signal(HITS)として検出した。検出されたHITSの数と深部静脈血栓症の存在部位から、肺塞栓症発症リスクを算出するオリジナルのスコアシステムを作成し、肺塞栓症発症のスクリーニングにおける有用性を評価した。【結果】48症例中23例において術後にDVTが発見され、8例で無症候性の肺塞栓症が発見された。HITS単独での肺塞栓症発症リスク評価の感度は75%、特異度は92.5%であった。深部静脈血栓症の存在部位を加味して算出したリスクスコアの感度は100%で、特異度は85%であった。Receiver operating characteristic curveのArea under curveは0.96と良好であった。【結論】深部静脈血栓症の存在部位とHITSを元に算出したリスクスコアは、膝関節形成術後の肺塞栓症スクリーニングの有用な方法であった。
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