研究課題/領域番号 |
20591517
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
葛谷 孝文 名古屋大学, 医学部附属病院, 副部長 (00444406)
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研究分担者 |
小林 孝彰 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (70314010)
羽根田 正隆 名古屋大学, 医学系研究科, 講師 (50436995)
小寺 泰弘 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (10345879)
岩崎 研太 名古屋大学, 医学系研究科, 助教 (10508881)
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キーワード | 免疫卸制薬 / 薬力学 / 細胞増殖抑制効果 / CFSE / Bリンパ球 |
研究概要 |
本研究の目的は、移植医療における免疫抑制剤の薬力学的モニタリング方法の確立である。このことにより患者個々に対し、より適正な免疫抑制療法が提供できるものと考える。平成22年度における研究成果は下記のとおりである。 腎移植前32名の患者末梢血単核球(PBMC)を用いPHAで刺激後、各種免疫抑制剤を添加し、各薬剤に対する個々の感受性についてCFSEで発色させたフローサイトメトリー法において薬力学的パラメーターを求めた。その結果、シクロスポリン(CSA)に対する感受性が高い患者群では移植後にサイトメガロウイルス罹患率が高くなること、またミコフェノール酸では薬力学的な個人差が極端に少ないことを報告した。今年度は症例を50症例まで増やし、薬力学的パラメーターと移植後の各種事象との関係について精査した結果、同様に移植後にウイルス感染群の事象が認めた患者ではCSAに対する感受性が高く統計的に有意な関係が認められた。また、5例において移植前と免疫抑制療法を開始後の移植後とで薬剤感受性試験を比較したところ、両群では差は認められず移植後の安定期でも薬剤感受性の評価ができることが確認できた。また、Bリンパ球に対する免疫抑制剤の感受性試験では健常人において腎移植患者で用いたPBMCと同様な方法でB細胞に対する薬剤感受性を調べたところCSAではT細胞よりも低濃度で増殖抑制効果が観察できた。しかし、刺激の方法によりその抑制効果は異なり、抗IgM抗体による刺激に対しては十分な抑制効果を発揮したがCD40リガンドを用いた刺激に対しては十分な増殖抑制効果は得られなかった。
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