【目的】 Rho-kinase阻害剤投与により動脈内へのステント留置後の内膜肥厚が制御可能かどうかを明らかにする。 【実験内容】 日本白種、オス、3kg程度のウサギ(n=12)をcontrol group(n=6):1.0%コレステロール餌をステント留置4週前より標本摘出時まで経口投与、fasudil-treated group(n=6):1.0%コレステロール餌をステント留置4週前より、Rho-kinase阻害剤であるfasudil 30mg/kgをステント留置3日前よりコレステロール餌に混ぜて経口投与、の2群に分け、両群ともaspirin 20mgをステント留置24時間前より経口投与した。ステント留置はketamine hydrochloride(25mg/kg intramuscularly)とxyladine(10mg/kg subcutaneously)を使用して麻酔導入後、右内頚動脈に4Frシースを留置、ヘパリン全身投与(200IU/kg)し、透視下で腸骨動脈にバルーンエキスパンダブルステントを留置した(6気圧1分間で拡張)。ステント留置後4週間後、麻酔導入後に腸骨ステント留置部位を露出させ、pentobarbitalを静注後に腸骨動脈を含めて標本を摘出した。 【今後の予定・課題】 現在、これらの標本において、グラフト内膜肥厚・炎症細胞侵潤の程度について病理組織学的に対照群と比較し、内膜肥厚抑制効果を検討し、内膜・内皮細胞におけるeNOS発現レベル、Thr495およびSer1177のリン酸化レベルについて検討している段階である。
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