研究課題/領域番号 |
20591526
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
辻村 敏明 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (30403249)
|
研究分担者 |
松本 逸平 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (30379408)
新関 亮 神戸大学, 医学研究科, 助教 (60444593)
外山 博近 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (10444598)
具 英成 神戸大学, 医学研究科, 教授 (40195615)
|
キーワード | 膵島移植 |
研究概要 |
膵島移植では膵島は膵臓から膵島分離され、肝臓の門脈内に点滴注入することで移植される。膵島分離の行程により約60%の膵島が失われ、さらに移植後に肝に最終的に生着する膵島は移植膵島全体の30~50%といわれている。つまりドナー膵臓に存在する約10~20%の膵島のみが最終的に肝に生着し機能しているにすぎない。よって現状では1人のレシピエントのインスリン離脱を達成するのに複数回の移植が必要である。膵島移植は膵臓より分離された"膵島"を血管内に注入するため移植後早期には膵島に"血管を介した酸素・栄養供給"がなく、膵島は著しい低酸素・低栄養状態にさらされている。こういった環境は、移植後の膵島が死滅し減少していく大きな要因のひとつであると考えられ、移植後急性期の血管新生の改善は膵島移植における重要な課題である。本研究では血管内皮前駆細胞(EPC)を膵島移植時に導入することにより、移植膵島の血管新生を誘導することによる膵島移植成績の改善効果を検討する。 本年度は、これまで確立した膵島とEPCを共同移植するモデルにより、STZの腹腔内投与により作成した糖尿病マウスに同系門脈内膵島移植を用い、EPC導入の膵島生着率への影響を調べた。1群:膵島のみ、2群:膵島+EPCの2群で、移植後の血糖、体重の推移、移植後28日目のintraperitoneal glucose tolerance testにより耐糖能の評価を行った。各検討項目について解析を行ったが、2群の間に有意差を認めなかった。これまでの確認できたEPCによる血管新生促進効果が膵島の生着の改善に繋がらない原因と対策につき検討中である。
|