研究課題
腫瘍接種モデルの確立:MH134肝癌細胞株を用いたC3H(H-2^k)マウス皮下腫瘍モデルにて検討した。IL-12遺伝子を組み込んだplasmidを、エレクトロポレーション法を用いて腫瘍内に100μg遺伝子導入し(Day0)、その2日後にLPSにて活性化させたDCを腫瘍内に5×10^5個導入した(Day2)。DC導入後6日目(Day8)よりFK506の腹腔内投与(3mg/kg)を連日行って免疫抑制状態とし、Balb/c(H-2^d)マウスのスキングラフトを作製して、免疫抑制の指標とした。無治療群、DC単独群、IL-12単独群、IL-12/DC併用群の4群に分類し、遺伝子治療開始後28日目(Day28)まで各群で原発腫瘍に対する直接的な抗腫瘍効果と、肺及び肝の遠隔転移巣に対する腫瘍抑制効果を検討した。評価項目としては(1)Day28における原発皮下腫瘍容積の比較、(2)Day28における肺及び肝への遠隔転移巣を、パラフィン包埋切片(最大割面)を用いて、転移巣の有無、個数、最大腫瘍径にて比較、(3)脾細胞を用いて、MH134肝癌細胞に対する腫瘍特異的CTLの比較、(4)ELISAを用いて、原発皮下腫瘍内におけるIL-12、IFN-γ蛋白濃度の比較を施行した。Day28における各4群間での原発皮下腫瘍容積の比較を行ったところ、Mock群:7.61+-0.20cm^3、DC群:4.75±0.14cm^3、IL12群:2.09±0.10cm^3、IL12/DC群:1.71±0.11cm^3であり、IL12/DC群で他の3群と比較して有意に腫瘍抑制効果を認めた。PLL-g-HA/pCAGGS-mIL-12による肝類洞内皮細胞への遺伝子発現の確認はできなかった。
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