研究概要 |
(1)IL-12遺伝子発現プラスミドの精製:2ヶ所の発現領域(EcoR1, BamHI)を有するpCAGGSにそれぞれ1008bpのマウスIL-12 p40 cDNAと1260bpのIL-12 p35 cDNAを挿入したプラスミドを用い、LB培地にて大量培養後、プラスミドを精製・回収し、目的とするプラスミドが得られている事を確認した。 (2)PLL-g-HAの精製を高分子ヒアルロン酸をヒアルロニダーゼを用いて切断し、低分子ヒアルロン酸を得た。ヒアルロン酸(HA)とポリ-L-リシン(PLL)の重合反応を行い、凍結乾燥にてPLL-graft-HAの粉末を得た。 (3)PLL-g-HAとpCAGGS-mIL12の重合確認:1M NaCl 10mM PBS(-) (ph=7.4)に溶解したプラスミドDNAに、同バッファーに溶解したPLL-g-HAをN/P比=0,0.5,1,2,3,4,5となるように加え、1時間室温にてインキュベーションした後、NaCl濃度が137mMとなるようにリン酸緩衝液(ph=7.4)を加えて希釈。更に30分間のインキュベーションを行い重合反応とした。アガロースゲルにて電気泳動し、プラスミドのバンド消失をもって重合の確認とした。N/P比=0.5よりバンドの消失が認められ、N/P比=3にて完全なるバンドの消失を認めた。 (4)腫瘍接種モデルの確立:MH134肝癌細胞株を用いたC3H(H-2k)マウス皮下腫瘍モデルを確立し、IL-12遺伝子を組み込んだplasmidを、エレクトロポレーション法を用いて腫瘍内に100μg遺伝子導入した。Day28における各4群間での原発皮下腫瘍容積の比較を行ったところ、IL12群で有意に腫瘍抑制効果を認めた。 PLL-g-HA/pCAGGS-mIL-12による肝類洞内皮細胞への遺伝子発現の確認はできなかった。
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