研究概要 |
平成20年度は、遺伝子多型を解析するため保存されている移植症例のDNA並びに新たにサンプルを収集するために所属施設での倫理審査申請を行い承認を受けた。その後、保存されている移植症例のDNAの当該研究に対する解析の同意と新たなサンプルの収集・解析に対する同意を取得するとともに、新たな提供サンプルからのDNA抽出も開始を始めた。 サンプルDNA提供者(研究協力者)の腎不全を来たすに至った原疾患、経過観察中の血中クレアチニン値、尿素窒素値、投与されている免疫抑制剤の中でもカルシニューリンインヒビター種類とそのtrough・AUC、拒絶反応の有無、移植腎生検の病理組織学的所見、及び研究協力者とその臓器提供者(ドナー)のHLAに関するデータベース構築を開始した。 サンプルとして提供されたDNAのSNP解析として免疫抑制剤シクロスポリン、タクロリムスノの代謝に係る薬剤反応性遺伝子の遺伝子多型として報告されているチトクロームP450(CYP)遺伝子,多剤耐性遺伝子MDR1、T細胞のpolarizationに係るinterluekin-18遺伝子の解析を予定していたが、近年の分子遺伝学の手法の進歩で50〜100万か所ものSNPを利用した全ゲノム関連解析(GWAS)が可能となり、先にあげた候補遺伝子のSNPを含むSNP chipを用いたGWAS解析で移植腎機能に影響を及ぼすと考えられる候補遺伝子を獲得するための解析に着手しました。
|