本研究の目的は、 1)アディポネクチンKOマウスの敗血症モデルを用いて、PPARγリガンドの敗血症に対する効果におけるアディポネクチンの直接作用の関与について検討し、 2)敗血症患者において、ドレナージ手術やエンドトキシン除去カラムを用いた急速なエンドトキシン血症に対する治療を施した際の、血中アディポネクチン値の変化を検討することであった。 平成21年3月までに、予想通り敗血症モデルにおいてPPARγリガンド投与による生存率の改善をWTで認めたが、KOで認めなかったことは、大きな成果であった。この結果は、Surgeryにin pressされた。一方、敗血症患者における検討でも、エンドトキシン除去カラムと血漿交換の治療前後の血中アディポネクチン値を測定したが、きわめて興味深い結果が出てきている。すなわち、血漿交換前後での優位な低下と、PMXカラム使用時の軽度上昇がみられた。少数のため有意差は認められないが、今後症例を積み重ねて検討したい。
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