研究課題/領域番号 |
20591548
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
掛地 吉弘 九州大学, 医学研究員, 准教授 (80284488)
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研究分担者 |
森田 勝 九州大学, 大学病院, 講師 (30294937)
大賀 丈史 九州大学, 大学病院, 助教 (60335958)
園田 英人 九州大学, 医学研究院, 学術研究員 (00465725)
江頭 明典 九州大学, 医学研究院, 客員助教 (00419524)
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キーワード | 抗癌剤耐性 / DNA修復 / YB-1 / 胃癌 / 食道癌 |
研究概要 |
抗癌剤でMDRIプロモーターが誘導され、P-糖蛋白質の発現が亢進されること、MDR1遺伝子の近位プロモーター近傍に存在する逆行CCAAT配列とそれに結合するYB-1が薬剤応答による遺伝子発現に重要な鍵を握ることが明らかにされてきた。YB-1は多くの増殖細胞で発現するユピキタス蛋白であり、(1)逆行CCAAT配列をプロモーター領域にもつ遺伝子の発現に関与する転写因子としての機能だけではなく、(2)RNAと結合して観訳を調節していること、(3)障害DNAを認識してDNA修復に関与していることが報告され、YB-1は細胞の外界ストレスに対する防御基点としての役割が明らかにされつつある。YB-1は犠々な癌腫での細胞増穂、進展、悪性化、さらには抗癒剤に対する耐性化に深く関わる。 YB-1の消化器癌(食道癌、胃癌、大腸癌)での発現や細胞内局在を臨床検体を用いて解析した。 消化器癌におけるYB-1の核内発現の意義を明らかにすることを目的に、食道癌、胃癌、大腸癌臨床検体のホルマリン固定パラフィン包埋薄切切片を用いた免疫化学組織染色にてYB-1蛋白の細胞内局在を同定した。 YB-1の核移行率は、食道癌(n=30)、胃癌(n=10)、大腸癌(n=5)で各々、43%,50%,40%であった。 癌細胞の核における発現とともに、間質の血管内皮細胞においてもYB-1の発現がみられた。 KB human epidermoid cancer cell lineを用いた実験では、YB-1 antisenseを導入することでcisplatinに対する感受性が増加した。DNA cross-linkingをきたす薬剤に対してYB-1が耐性に寄与している可能性が示唆された。
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