研究概要 |
また、Interleukin(IL)-6やTransforming growth factor-β(TGF-β)などが担癌患者の免疫抑制に関与していることが報告されている。これらの免疫抑制性因子は癌性悪液質の誘引物質となるばかりではなく、化学療法や免疫療法の効果発現を妨げるものであると考えている。我々の開発した免疫抑制物質吸着カラムは、直径3〜5mmのポリスチレン系極細繊維に種々の官能基を付加したものを素材としており、TGF-β, IL-6, Vascular endotherial growth factor(VEGF)などの免疫抑制因子を効果的に吸着し、in vivoにおいて体外循環治療として使用することにより、これらの物質を除去し、腫瘍増殖抑制効果を有することを証明しえた。 CD4/CD8陽性T細胞、CD25/CD4陽性制御性T細胞および樹状細胞などの免疫担当細胞の生体内分布の変化について、体外循環前後での末梢血あるいは脾臓内の免疫担当細胞プロファイルを抗体染色とFACSで検討した。NK細胞とT細胞の活性について体外循環カラム治療前後で誘導される細胞を用いて、細胞障害性試験やPhytohemaggulutinin(PHA)をmitogenとしたリンパ球混合試験(Mixed lymphocyte reaction;MLR)により測定した。 現在これらの結果についての解析を行っているところである。
|