研究概要 |
研究の目的 乳癌診療における遺伝子診断の利用が日常診療に応用されるためにはprospectiveな臨床研究でその有用性が検証される必要があると思われます。そこで、FISH技術を応用し乳癌組織検体とその対応する正常乳腺組織検体および乳腺細胞診検体を用いてHER2 gene, BRCA1 gene, BRCA2 gene, p53, hTERT geneなどの乳癌関連遺伝子とその遺伝子の局在する染色体(Chr 17など)の異数体発現と組織Q-FISHによるtelomere長測定(我々の開発した国内特許(特願2005-55726):テロメア長測定による正常細胞と癌細胞の鑑別法)を行い、乳癌遺伝子診療の臨床応用への基礎研究として検討したいと考えています。この研究により、乳腺外科学と乳癌診療に貢献できればと考えております。 本年度(~平成23年3月31日)の研究実施計画 平成22年度は、昨年進行しなかった、乳癌組織検体を用いての乳癌関連遺伝子:HER2 gene, p53, BRCA 1, BRCA 2, hTERT geneとこれらの遺伝子が局在する染色体(Chr 17, 11など)をsky-FISH法を用いて検討するためのFISH用probeの作成を行います。Probeの特異度と感受性の検討を行います。FISH法による染色体の異数体測定は、乳癌の診断法として通常細胞診より優れた結果が得られたことを前記しましたが、我々は、この染色体FISH法に乳癌関連遺伝子を同時に測定するSky-FISH法を行い、乳癌の予後診断に利用できるかを検討いたします。 実際の臨床応用に向けての基盤作りと実験の速やかな実施が本年度の予定です。研究の成果を、順次、外科学会、癌学会、乳癌学会等で発表できるように致します。また、発表された内容は、順次、論文報告する予定である。
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