研究課題/領域番号 |
20591560
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
鈴村 和大 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (50434949)
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研究分担者 |
藤元 治朗 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (90199373)
飯室 勇二 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (30252018)
平野 公通 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (90340968)
佐竹 真 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (70399153)
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キーワード | 肝再生 / 蛋白合成 / アミノ酸 / アルギニン / アルギナーゼ |
研究概要 |
これまで、アミノ酸の生体に対する作用は、蛋白合成の基質、エネルギー源、核酸の前駆体等の栄養学的効果が注目されてきた。しかし最近、アミノ酸には栄養素としての作用だけでなく、各種サイトカインやホルモン同様の細胞内シグナル活性化物質としての作用があることが報告されてきているが、その概念から肝再生における検討はほとんど行われていないのが現状である。前回我々はラット70%肝切除モデルにて、血漿アルギニン濃度の低下が認められ、肝切除時にミトコンドリア分画より排出されるアルギナーゼがその原因の一つであり、肝細胞増殖に影響している可能性があること、およびアルギナーゼを投与したラットにおいて肝細胞におけるDNA合成が促進されることを報告した。またアルギナーゼの酵素としての生体内局在は肝に集中しており、肝再生との関連は深い可能性が考えられる。その結果をふまえて、今回我々はアミノ酸の一つであるアルギニンに注目し、アルギニン投与もしくはアルギナーゼの阻害によって肝細胞増殖、肝再生を促進させ得るか否かを検討している。現在、HEPG2細胞および初代培養肝細胞でアミノ酸を培養液から除去し、アルギニンを単独で添加した場合もしくはアルギナーゼ投与の場合の、各kinaseのリン酸化をwestern blottingで検討中であり、またアルギニンについて、シグナルの活性化に必要な最適濃度、投与のタイミングを計っており、また細胞培養との関係を肝細胞数カウント、アラマーブルーによる細胞増殖測定法にて検討中である。
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